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ドグラマグラ

■題名■ドグラマグラ DOGRA MAGRA 1988年【日】
■監督■松本俊夫
■出演■桂枝雀/室田日出男/松田洋治/江波杏子/森本レオ

夢野久作の超有名な奇書を映画化。

読むと生涯のうち一度は精神に異常をきたす・・・という謳い文句に惹かれて、
学生時代、太宰治と同じ位「ドグラマグラ」にハマる人が、私の周りには多かった。
赤川次郎より、村上春樹よりも、夢野久作を好むワタシ☆という、
「他とはちょっと違う自分」的、自意識を求める年頃だったからだろう~(懐)

なので、「ドグラマグラ」の映画化を知った時は、すごく嬉しかった。
でも昔は(今も、だけど)、
原作をないがしろにする映画がとてもたくさん在ったため、
自分の脳髄に作り上げられたドグラマグラのイメージを壊されるのが厭で、
せっかくの映画を観ないまま忘れてしまった。
・・・というより、
キャスティングに失望して、見る気分になれなかったのだ。
その失望の最大の理由は、
正木博士役を、落語家の桂枝雀さんが演じていたことだった。

関西人の私には、枝雀さんはあくまでも「枝雀寄席」のイメージであり、
好き嫌いどうこうでなく「ドグラマグラ」に、
あの枝雀さんが出演することを想像するだけが異質に思えた。
どうしても受け入れ難かったのだ。

それに加えて、監督も全然知らない人物だった。
夢野久作ファンの友人と、
「監督が鈴木清順とかだったら、桂枝雀でも、観に行ったのにねぇ・・・」
なんて、愚痴ったことが思い出される。

しかしその随分・・・後、
CSで深夜放送されていた「ドグラマグラ」を観て、
「ちゃかぽこちゃかぽこ」を演じる枝雀さんが、全くミスキャストでないと思い知った。
それどころか、一番素晴らしかった。
あの「ちゃかぽこちゃかぽこ」は、
卓越した落語家の枝雀さんだからこそ、可能だったのだ。

それに、監督の松木俊夫さんは、
ピーター主演「薔薇の葬列」など、
超前衛的な実験映画ばかりを撮る監督なので、
てっきり、ドグラマグラに独自の解釈を盛り込むだろう・・・と思い込んでいたけれど、
意外なほど原作がリスペクトされており、忠実だった。
多少、単純にまとめすぎている感が否めないものの、
ブーン、ブーーン、ブーーーンで始まり、
「ちゃかぽこちゃかぽこ」があって、
また、ブーーーーンで終わる、時系列がバラバラの原作が、とても理解しやすいので、
原作をイマイチ理解できなかった人にもお奨めできる。

最後になりますが、
「ドグラマグラ」で俳優デビューをされた桂枝雀さんは、
精神的に不安定となり、1999年4月19日に、自ら命を絶ってしまわれました。
存命されていれば、
落語に留まらず、幅広い活躍をされていたことを想うと惜しまれてなりません。。
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